競馬日記 98

「新年おめでとう」

「どうも」

「初詣には、もう行ったかい」

「行くように見える? ああ、川崎に」

「川崎大師?」

「そのすぐ近くの川崎競馬場にさ。ネットだけどね」

「それでこそ競馬ジャンキーだ。ぼくは君を尊敬するよ。こいつは皮肉じゃなくて、心の底から本気でいってるんだよ」

「やりたくなかったんだけどね。YouTubeを開いたら、先頭に川崎競馬の配信があって、ついクリックしちゃったわけ。罠だったのかな」

「その様子だとお賽銭をたっぷりと投げたみたいだね」

「お年玉付きさ」

「新年早々で悪いけど、有馬記念は惜しかったね。めちゃくちゃいい線をついてた」

「ハア……。2年連続で嫌になるよ。針の穴を通すようなハズレでさ。狙ってるわけじゃないのに、指と指の隙間を水がこぼれるようにはずれる。こんなこと狙ってできるもんじゃないと自分でも思ってるよ」

「コスモキュランダは仕方ないよ。ブリンカーがあそこまで効くとは思わなかった。それよりもダノンデサイルの3着固定には痺れたね。あれこそ馬券センスだ」

「前日に予想してて閃いたんだ。臭いがしたっていうべきなのかな。勝つのはわからないけど、ダノンデサイルは3着の気がするってさ。根拠はあったんだよ。去年の3着馬だろ。ジャパンカップでも3着。それに先行タイプ。こういう馬は続けて3着になりやすいんだ。競馬あるあるだよね。競馬新聞を見てると、連続2着の馬がチラホラいる」

「先行脚質で安定感のある馬は、相手が強くなっても2・3着になりやすい。いわゆる善戦マン」

「ジャスティンパレスが中山のコーナーが苦手だっていうのも当たってたのにさ」

「あれね。穴人気してたよね」

「あとレガレイラが出遅れそうっていうのも」

「いってたいってた」

「朝日杯でバカなことしなければなぁ。香港が終わった後に、年末はC・デムーロの頭で勝負だって決めてたんだよ。それなのにカヴァレリッツォを買いそびれたもんだから、ミュージアムマイルに手を出しづらくなった。もし朝日杯で当たってたら、有馬記念も素直に単勝を買ってたはずだよ。応援の意味もこめて」

「ボタンの掛け違え。それも競馬あるあるだよ」

「土曜日のホープフルS・阪神C・中山大障害だろ。東京大賞典は・・・まあ、あれはしょうがないか」

「連戦連敗、死のロードだね。目を覆いたくなる」

「おまけに、例のキャンペーン。まったく罰ゲーム以外のなにものでもないよ。1年ぶりに競馬新聞を勝ったのにさ。競馬ブックの買い目通りに三連複を買ったら半分ぐらいしかお金が帰ってこなかった。あれなら1・2番人気の複勝を買ってるほうがマシだよ。お金を返してほしいもんさ」

「年末年始は競馬三昧だったわけだ」

「毎年のことだけどね。東京2歳優駿牝馬が当たらなかったらひどい目にあってた。パドック解説者がズバリ3頭で1・2・3着を当てたんだよ。その日のパドック解説者は神がかっていてほぼパーフェクトだったんだ。そこで三連単を2点購入したら50倍が的中。有馬記念と東京大賞典の負けの半分をなんとか取り戻せた」

「そいつはすごいじゃないか」

「まあ、そのあとパチンコでやられたんだけどね」

「おいおい」

「元旦のパチンコ屋の様子を覗きにいったら、なぜかよくわからない台を打ってた」

「死んだ顔でレバーを叩いてる姿が目に浮かぶようだ」

「正月の話はこれぐらいだよ。そろそろ金杯の話をしてもいいかな」

「君の好きにしたらいいさ。だれもいないような場所だ。だれかの悪口を書いたとしても炎上するリスクはほとんどない」

「このブログのいい点だね」

「まだ有馬記念から1週間経っていないのがウソみたいだ」

「今年の目標は?」

「もちろん年間収支でプラスを目指すよ。今年からちょっとやり方を変えようと思ってさ」

「どんなふうに?」

「相性のいい馬券は複勝じゃないかと思ってさ。ほら、有馬記念もダノンデサイルの複勝だったら当たってたわけだろ。ホープフルSもフォルテアンジェロだったし」

「当たるといいね」

「ぼくもそう願ってる。どちらかが当たったら、今年はいい1年になりそうな気がする。毎年、同じことをいってるんだけどさ」

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