中央競馬・G1レースでの単勝1倍台のオッズ別信頼度

1986年以降、JRAのGⅠレース(障害を含む)で1番人気に支持された馬の、オッズ別の信頼度を調べてみた。

GⅠレース・1番人気 単勝オッズ別集計

単勝オッズ 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
1.0~ 1.4 50- 13- 4- 8/ 7566.7%84.0%89.3%8496
1.5~ 1.9 55- 35- 16- 43/14936.9%60.4%71.1%6280
2.0~ 2.9106- 53- 42-100/30135.2%52.8%66.8%8485
3.0~ 3.9 48- 37- 29- 88/20223.8%42.1%56.4%8184
4.0~ 4.9 15- 7- 5- 35/ 6224.2%35.5%43.5%10582
5.0~ 6.9 0- 3- 0- 10/ 130.0%23.1%23.1%047
集計期間:1986~2023.4.3

単勝1.4倍以下だと勝率は66%で3回に2回は勝利している。
トリビア:GⅠレースでもっとも単勝オッズの高かった1番人気は、2012年・安田記念のサダムパテックの6.6倍。

GⅠ・単勝1倍台のオッズ別成績

単勝オッズ 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
1.0 1- 0- 0- 0/ 1100.0%100.0%100.0%100100
1.1 8- 0- 1- 0/ 988.9%88.9%100.0%97107
1.210- 2- 0- 1/1376.9%92.3%92.3%9298
1.319- 8- 0- 2/2965.5%93.1%93.1%85101
1.412- 3- 3- 5/2352.2%65.2%78.3%7384
1.511-11- 3-14/3928.2%56.4%64.1%4271
1.612- 3- 2- 3/2060.0%75.0%85.0%9696
1.714- 9- 2- 8/3342.4%69.7%75.8%7286
1.8 8- 7- 6- 7/2828.6%53.6%75.0%5184
1.910- 5- 3-11/2934.5%51.7%62.1%6572

唯一の単勝1.0倍は2005年の菊花賞@ディープインパクトで見事1着となった。
現在はプラス10システム(払い戻しが100円の場合、一部を除き10円加算される)があり、100円の元返しになることはない。ディープインパクトの菊花賞もいまなら110円になっていた。

単勝1.0倍~1.3倍までは連対率が90%を超える。

単勝1.4倍の連対率は3回に2回で、逆にいえば3回に1回は2着を外す。

単勝1.5倍をさかいにして勝率が50%を下回る。単勝回収値が42円でもっとも低い。

単勝1.8倍の連対率は50%。

ダートのGⅠレースは年間にフェブラリーSとチャンピオンズCの2レースだけで、単勝1倍台の人気を集めた馬は過去に11頭しかいない。【5-2-1-3】

障害のGⅠレースは中山大障害と中山グランドジャンプで、単勝1倍台の成績は【10-5-2-8】。平地のGⅠレースより信頼度が落ちる。うち競走中止した馬は2頭。

単勝1倍台で負けた主な馬

オッズ負けた馬とレース
1.0なし
1.198・スプリンターズS@タイキシャトル 3着
1.298・天皇賞(秋)@サイレンススズカ 競争中止
90・宝塚記念@オグリキャップ 2着
87・エリザベス女王杯@マックスビューティ 2着
1.320・安田記念@アーモンドアイ 2着
13・天皇賞(春)@ゴールドシップ 5着
12・天皇賞(春)@オルフェーヴル 11着
05・有馬記念@ディープインパクト 2着
1.420・チャンピオンズC@クリソベリル 4着
17・宝塚記念@キタサンブラック 9着
04・オークス@ダンスインザムード 4着
98・エリザベス女王杯@エアグルーヴ 3着
1.522・チャンピオンズC@テーオーケインズ 4着
22・大阪杯@エフフォーリア 9着
19・有馬記念@アーモンドアイ 9着
12・フェブラリーS@トランセンド 7着
94・天皇賞(秋)@ビワハヤヒデ 5着
92・天皇賞(春)@トウカイテイオー 5着
1.619・ダービー@サートゥルナーリア 4着
15・桜花賞@ルージュバック 9着
07・ダービー@フサイチホウオー 7着
93・天皇賞(春)@メジロマックイーン 2着
1.721・ダービー@エフフォーリア 2着
14・天皇賞(春)@キズナ 4着
09・皐月賞@ロジユニヴァース 14着
96・秋華賞@エアグルーヴ 10着
1.821・大阪杯@コントレイル 3着
16・スプリンターズS@ビッグアーサー 12着
01・有馬記念@テイエムオペラオー 5着
89・有馬記念@オグリキャップ 5着
1.921・オークス@ソダシ 8着
17・ヴィクトリアマイル@ミッキークイーン 7着
00・菊花賞@アグネスフライト 5着
91・ジャパンカップ@メジロマックイーン 4着

単勝1.1倍で負けたのは98年のスプリンターズS@タイキシャトルで、同馬の引退レースだった。

1.2倍~1.4倍で負けた馬にはオグリキャップをはじめとして殿堂入りしたスーパーホースの名前が並ぶ。

平地のGⅠレースで1番人気馬が競争中止したのは、87年・有馬記念@サクラスターオー、91年・スプリンターズS@ケイエスミラクル、98年・天皇賞(秋)サイレンススズカ、02年・菊花賞@ノーリーズンの4例になっている。

単勝1倍台で降着になったのは、19年・NHKマイルC@グランアレグリア、10年・ジャパンカップ@ブエナビスタ、09年・秋華賞@ブエナビスタ、01年・中山グランドJ@ランド、91年・天皇賞(秋)@メジロマックイーンの5例のみ。

競争中止を除いて、もっとも着順が悪かったのは15年・宝塚記念@ゴールドシップの15着になっている。同馬は中央競馬史上初の同一平地G1レース3連覇を狙って1.9倍に支持されていた。

GⅠ・単勝1倍台 騎手別成績(現役のみ)

騎手 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
武豊19-10- 4-10/4344.2%67.4%76.7%6085
ルメール11- 2- 3- 3/1957.9%68.4%84.2%8892
石神深一 6- 0- 0- 0/ 6100.0%100.0%100.0%125106
和田竜二 4- 1- 0- 1/ 666.7%83.3%83.3%11391
岩田康誠 3- 2- 0- 0/ 560.0%100.0%100.0%78110
M.デム 3- 1- 0- 0/ 475.0%100.0%100.0%140115
松山弘平 2- 0- 0- 1/ 366.7%66.7%66.7%10080
池添謙一 2- 0- 0- 2/ 450.0%50.0%50.0%7555
森一馬 2- 0- 0- 0/ 2100.0%100.0%100.0%175110
横山典弘 1- 2- 1- 2/ 616.7%50.0%66.7%2571
川田将雅 1- 2- 0- 2/ 520.0%60.0%60.0%2468

G1レースで単勝1倍台の馬に乗る機会がもっとも多いのが武豊騎手で、43回と群を抜いている。勝率44%は平均的な数字。これは武豊騎手が騎乗することで実力以上に人気をするため。

ルメール騎手の単勝1倍台の馬は、19年・皐月賞@サートゥルナーリアだけが牡馬で、残りは牝馬になっている。

石神騎手の騎乗はすべてオジュウチョウサンで勝率100%。

岩田・Mデムーロ騎手は連対率100%。

横山典弘騎手が単勝1倍台でGⅠを勝ったのは1度のみ(09年・ヴィクトリアマイル@ブエナビスタ)。

川田騎手の唯一の勝利は14年・桜花賞@ハープスター。

和田騎手の記録はすべてテイエムオペラオーによるもの。

単勝1倍台・GⅠレース別集計

レース名 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
中山グラJG1 7- 2- 0- 3/1258.3%75.0%75.0%8082
マイルチG1 6- 3- 0- 1/1060.0%90.0%90.0%8896
優駿牝馬G1 6- 2- 1- 3/1250.0%66.7%75.0%8190
天皇賞春G1 6- 2- 0- 5/1346.2%61.5%61.5%6667
菊花賞G1 6- 2- 0- 1/ 966.7%88.9%88.9%9196
安田記念G1 5- 5- 2- 0/1241.7%83.3%100.0%64111
宝塚記念G1 5- 5- 1- 3/1435.7%71.4%78.6%5385
有馬記念G1 5- 3- 0- 3/1145.5%72.7%72.7%6982
秋華賞G1 5- 2- 1- 3/1145.5%63.6%72.7%6178
東京優駿G1 5- 1- 0- 2/ 862.5%75.0%75.0%9086
朝日杯3G1 5- 1- 0- 0/ 683.3%100.0%100.0%125111
皐月賞G1 5- 0- 1- 1/ 771.4%71.4%85.7%10492
エリザベG1 4- 4- 2- 0/1040.0%80.0%100.0%62109
桜花賞G1 4- 2- 1- 4/1136.4%54.5%63.6%4870
JCG1 4- 1- 2- 2/ 944.4%55.6%77.8%6485
ヴィクトG1 4- 1- 0- 1/ 666.7%83.3%83.3%9893
中山大障JG1 3- 3- 2- 5/1323.1%46.2%61.5%3266
阪神3歳G1 3- 1- 0- 1/ 560.0%80.0%80.0%10092
スプリンG1 3- 0- 1- 2/ 650.0%50.0%66.7%8076
NHKマG1 3- 0- 1- 1/ 560.0%60.0%80.0%9896
阪神ジュG1 2- 2- 1- 1/ 633.3%66.7%83.3%5196
天皇賞秋G1 2- 2- 0- 3/ 728.6%57.1%57.1%4261
フェブラG1 2- 0- 0- 1/ 366.7%66.7%66.7%10073
JCDG1 1- 2- 1- 0/ 425.0%75.0%100.0%42112
高松宮記G1 1- 0- 1- 1/ 333.3%33.3%66.7%4380
チャンピG1 1- 0- 0- 2/ 333.3%33.3%33.3%6336
南部杯G1 1- 0- 0- 0/ 1100.0%100.0%100.0%160110
ホープフG1 1- 0- 0- 0/ 1100.0%100.0%100.0%180110
フューチG1 0- 2- 1- 1/ 40.0%50.0%75.0%082
大阪杯G1 0- 0- 1- 1/ 20.0%0.0%50.0%055

天皇賞(秋)は単勝1倍台の成績が悪く、【2-2-0-3】になっている。勝利した2例はいずれもアーモンドアイ。91年には単勝1.9倍の支持を集めていたメジロマックイーンは1位入線後に斜行で18着に降着になった。

日本ダービーで皐月賞1着馬が単勝1倍台の指示を集めて敗れたのは、19年のサートゥルナーリアと21年のエフフォーリア。

平地G1では2位のオークスだが、武豊騎手は1倍台の馬に3回乗って2着・7着・4着と勝てていない。

有馬記念で単勝1倍台の支持を集めて敗れた馬は6頭いて、うち5頭(オグリキャップ・メジロマックイーン・テイエムオペラオー・ディープインパクト・アーモンドアイ)が顕彰馬に選ばれている。残りの1頭はブエナビスタ。

安田記念とエリザベス女王杯で単勝1倍台の馬が馬券圏内(3着)を外した例はまだない。

朝日杯時代には1番人気が活躍していたが、フューチュリティーSに改名後は1倍台の馬は【0-2-1-1】と勝てていない。

皐月賞で単勝1倍台の支持を集めた馬はすべてG1馬になっている。

菊花賞で馬券圏外に沈んだ馬は00年のアグネスフライトの1頭だけ。

無敗の三冠に挑戦して2着に敗れた92年のミホノブルボンの単勝は1.5倍だった。

天皇賞(秋)ほどではないが、ジャパンカップも単勝1倍台の馬が勝率44%と低い。10年にはブエナビスタが2着に降着になった。

大阪杯は歴史が浅く、単勝1倍台の支持を集めた馬は21年・コントレイルと22年・エフフォーリアの2頭のみ。

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