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競馬日記 99

「ここはどこだ」 彼は長い首を振って辺りを見回していた。 ぼくは、ダウンジャケットのポケットに両手を突っ込んで白い息を吐いた。「知らないの、あれは神社っていうんだよ。日本の神道」「ぼくが聞いてるのは、どこの神社だって意味だよ」「廣實神社だよ...
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競馬日記 98

「新年おめでとう」「どうも」「初詣には、もう行ったかい」「行くように見える? ああ、川崎に」「川崎大師?」「そのすぐ近くの川崎競馬場にさ。ネットだけどね」「それでこそ競馬ジャンキーだ。ぼくは君を尊敬するよ。こいつは皮肉じゃなくて、心の底から...
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競馬日記 97

黄金に輝く草原に、彼は堂々と立っていた。乾いた風がぼくの髪を撫でる。ここはどこだろう。名前も知らない場所だけど、そんなことはどうでもいいような気にさせてくれる。「いよいよ、有馬記念だ」「そうみたいだね」「覇気がないぞ」「出しようがないよ、こ...
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競馬日記 96

「じゃじゃーん。ここがどこかわかるかな? わかるよね?」「知らないわけがないよ」「日本競馬の悲願、宿縁の地・凱旋門さ」「後ろに見えるのは、エッフェル塔かな」「感動が薄いな。花の都・パリ、あの凱旋門が目の前にあるってのに」「ぼくぐらいの競馬歴...
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競馬日記 95

「見慣れた景色だ」「近所の海岸だからね」「こうしてみると、うちも悪くない。沖縄には負けるけど」「沖縄はいいよね、暖かくて」「虫がいなければなおいい」「君は虫が苦手だからね」「どうしてなんだろうね。子供の頃は、素手で掴んていたのに。いまじゃ見...
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競馬日記 94

「ここはどこだろう」「どこだと思う?」「港町みたいだけど」「見覚えがあるはずだよ。ここは君の夢の中だからね」ぼくは目を細めて、遠くを見た。海を挟んだ向こう側に赤いタワーが見える。「もしかして神戸?」彼は鼻の穴を広げて悪戯っぽく笑った。「君の...
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競馬日記 93

「あれはガンジス川だよ」彼は、朝の教室に同級生が入ってくるように、ぼくの夢に出てくる。ぼくも、すっかり慣れてしまった。「思ったより綺麗だ」「思ったよりは失礼だな。ガンジス川はインド人にとって神聖な川だよ。ヒンズー教ではガンガと呼ばれる女神と...
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競馬日記 92

「いつもにまして絶景だね」「あれはエベレストだよ」「そうじゃないかと思った」「エベレストに登ってみたい?」「あいにく、ぜんぜん」「もったいない。地球で一番高い場所ってことは、宇宙に一番近い場所ってことだろ。きっと素晴らしい星空が見れるだろう...
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競馬日記 88

目を覚ますと、このあいだの馬がぼくの顔を覗き込むように見ていた。 心地いい波の音が聞こえる。「やあ、また会ったね」「今日はサハラ砂漠ではないみたいだ」「父島だよ」「小笠原諸島の?」「いつか行ってみたいと思っているだろ」「へー、よく知ってるな...
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競馬日記 91

「ここはどこ?」「オーストラリアのエアーズロックさ」「ウルル?」「君はセカチューが好きだったね。別名、地球のへそ」「あれはいいドラマだよ。いささか青臭いけど、もう1回見たくなる」「映画版とドラマ版、どっちが好き?」「ぼくはドラマ版から入った...