中央競馬・G1レースでの単勝1倍台のオッズ別信頼度

1986年以降、JRAのG1レース(障害を含む)で1番人気に支持された馬の、オッズ別の信頼度を調べてみた。(2023年10月31日時点)

※2011年に大震災の影響によって東京競馬場で開催された南部杯が含まれている。

G1レース・1番人気の単勝オッズ別成績

単勝オッズ 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
1.0~ 1.4 54- 13- 4- 8/ 7968.4%84.8%89.9%8696
1.5~ 1.9 56- 36- 16- 45/15336.6%60.1%70.6%6180
2.0~ 2.9106- 53- 45-100/30434.9%52.3%67.1%8385
3.0~ 3.9 48- 37- 30- 88/20323.6%41.9%56.7%8184
4.0~ 4.9 15- 7- 6- 35/ 6323.8%34.9%44.4%10383
5.0~ 6.9 0- 3- 0- 11/ 140.0%21.4%21.4%044

現在G1レースは年間26レースあり、毎年9頭前後が単勝1倍台に支持される。
単勝1.4倍以下だと勝率は68%で3回に2回は勝利している。
トリビア:G1レースでもっとも単勝オッズの高かった1番人気は、2012年・安田記念のサダムパテックの6.6倍。

単勝オッズ別信頼度

単勝オッズ 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
1.0 1- 0- 0- 0/ 1100.0%100.0%100.0%100100
1.1 9- 0- 1- 0/1090.0%90.0%100.0%99107
1.210- 2- 0- 1/1376.9%92.3%92.3%9298
1.321- 8- 0- 2/3167.7%93.5%93.5%88101
1.413- 3- 3- 5/2454.2%66.7%79.2%7585
1.511-11- 3-14/3928.2%56.4%64.1%4271
1.613- 3- 2- 3/2161.9%76.2%85.7%9997
1.714- 9- 2- 9/3441.2%67.6%73.5%7083
1.8 8- 8- 6- 8/3026.7%53.3%73.3%4883
1.910- 5- 3-11/2934.5%51.7%62.1%6572

全816レース中、単勝1倍台に支持された馬は232頭。
唯一の単勝1.0倍は05・菊花賞@ディープインパクトで見事1着となった。
現在はプラス10システム(払い戻しが100円の場合、一部を除き10円加算される)があり、100円の元返しになることはない。ディープインパクトの菊花賞もいまなら110円になっていた。

単勝1.0倍~1.3倍までは連対率が90%を超える。

単勝1.4倍の連対率は3回に2回で、逆にいえば3回に1回は2着を外す。

単勝1.5倍をさかいにして勝率が50%を下回る。単勝回収値が42円でもっとも低い。

単勝1.8倍の連対率は50%。

ダートのG1レースは年間にフェブラリーSとチャンピオンズCの2レースだけで、単勝1倍台の人気を集めた馬は過去に11頭しかいない。【5-2-1-3】

障害のG1レースは中山大障害と中山グランドジャンプで、単勝1倍台の成績は【10-5-2-9】。平地のG1レースより若干信頼度が落ちる。うち競走中止した馬は2頭。

単勝1倍台で負けた主な馬

オッズ負けた馬とレース
1.0なし
1.198・スプリンターズS@タイキシャトル 3着
1.298・天皇賞(秋)@サイレンススズカ 競争中止
90・宝塚記念@オグリキャップ 2着
87・エリザベス女王杯@マックスビューティ 2着
1.320・安田記念@アーモンドアイ 2着
13・天皇賞(春)@ゴールドシップ 5着
12・天皇賞(春)@オルフェーヴル 11着
05・有馬記念@ディープインパクト 2着
1.420・チャンピオンズC@クリソベリル 4着
17・宝塚記念@キタサンブラック 9着
04・オークス@ダンスインザムード 4着
98・エリザベス女王杯@エアグルーヴ 3着
1.522・チャンピオンズC@テーオーケインズ 4着
22・大阪杯@エフフォーリア 9着
19・有馬記念@アーモンドアイ 9着
12・フェブラリーS@トランセンド 7着
94・天皇賞(秋)@ビワハヤヒデ 5着
92・天皇賞(春)@トウカイテイオー 5着
1.619・ダービー@サートゥルナーリア 4着
15・桜花賞@ルージュバック 9着
07・ダービー@フサイチホウオー 7着
93・天皇賞(春)@メジロマックイーン 2着
1.723・天皇賞(春)@タイトルホルダー・競争中止
21・ダービー@エフフォーリア 2着
14・天皇賞(春)@キズナ 4着
09・皐月賞@ロジユニヴァース 14着
96・秋華賞@エアグルーヴ 10着
1.821・大阪杯@コントレイル 3着
16・スプリンターズS@ビッグアーサー 12着
01・有馬記念@テイエムオペラオー 5着
89・有馬記念@オグリキャップ 5着
1.921・オークス@ソダシ 8着
17・ヴィクトリアマイル@ミッキークイーン 7着
00・菊花賞@アグネスフライト 5着
91・ジャパンカップ@メジロマックイーン 4着

単勝1.1倍で負けたのは98のスプリンターズS@タイキシャトルで、同馬の引退レースだった。

1.2倍~1.4倍で負けた馬にはオグリキャップをはじめとして殿堂入りしたスーパーホースの名前が並ぶ。

平地のG1レースで単勝1倍台が競争中止したのは、87・有馬記念@サクラスターオー、91・スプリンターズS@ケイエスミラクル、98・天皇賞(秋)サイレンススズカ、02・菊花賞@ノーリーズン、23・天皇賞春@タイトルホルダーの5例。

単勝1倍台で降着になったのは、19・NHKマイルC@グランアレグリア、10・ジャパンカップ@ブエナビスタ、09・秋華賞@ブエナビスタ、01・中山グランドJ@ランド、91・天皇賞(秋)@メジロマックイーンの5例。

競争中止と降着を除いて、もっとも着順が悪かったのは15・宝塚記念@ゴールドシップの15着になっている。同馬は中央競馬史上初の同一平地G1レース3連覇を狙って1.9倍に支持されていた。

G1・単勝1倍台 騎手成績(現役のみ)

騎手 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
武豊19-10- 4-10/4344.2%67.4%76.7%6085
ルメール13- 2- 3- 3/2161.9%71.4%85.7%9294
石神深一 6- 0- 0- 1/ 785.7%85.7%85.7%10791
川田将雅 4- 2- 0- 2/ 850.0%75.0%75.0%6682
和田竜二 4- 1- 0- 1/ 666.7%83.3%83.3%11391
岩田康誠 3- 2- 0- 0/ 560.0%100.0%100.0%78110
M.デム 3- 1- 0- 0/ 475.0%100.0%100.0%140115
松山弘平 2- 0- 0- 1/ 366.7%66.7%66.7%10080
池添謙一 2- 0- 0- 2/ 450.0%50.0%50.0%7555
森一馬 2- 0- 0- 0/ 2100.0%100.0%100.0%175110
横山典弘 1- 2- 1- 2/ 616.7%50.0%66.7%2571

G1レースで単勝1倍台の馬に乗った機会がもっとも多いのは武豊騎手で43回と群を抜いている。勝率44%は平均的な数字。これは武豊騎手が騎乗することで実力以上に人気をしていたため。

ルメール騎手の単勝1倍台の馬は、19・皐月賞@サートゥルナーリア、23・宝塚記念&天皇賞秋@イクイノックスが牡馬で、残りは牝馬になっている。

石神騎手の騎乗はすべてオジュウチョウサンで6勝。23・中山GJ@ニシノデイジーで9着に敗れた。

岩田・Mデムーロ騎手は連対率100%。

横山典弘騎手が単勝1倍台でG1を勝ったのは1度のみ(09・ヴィクトリアマイル@ブエナビスタ)。

川田騎手の4勝のうち3勝はリバティアイランド。

和田騎手の記録はすべてテイエムオペラオーによるもの。

単勝1倍台・GⅠレース別集計

レース 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
優駿牝馬G1 7- 2- 1- 3/1353.8%69.2%76.9%8691
中山グラJG1 7- 2- 0- 4/1353.8%69.2%69.2%7476
宝塚記念G1 6- 5- 1- 3/1540.0%73.3%80.0%5887
マイルチG1 6- 3- 0- 1/1060.0%90.0%90.0%8896
秋華賞G1 6- 2- 1- 3/1250.0%66.7%75.0%6580
天皇賞春G1 6- 2- 0- 6/1442.9%57.1%57.1%6162
菊花賞G1 6- 2- 0- 1/ 966.7%88.9%88.9%9196
安田記念G1 5- 5- 2- 0/1241.7%83.3%100.0%64111
有馬記念G1 5- 3- 0- 3/1145.5%72.7%72.7%6982
桜花賞G1 5- 2- 1- 4/1241.7%58.3%66.7%5773
東京優駿G1 5- 2- 0- 2/ 955.6%77.8%77.8%8090
朝日杯3G1 5- 1- 0- 0/ 683.3%100.0%100.0%125111
皐月賞G1 5- 0- 1- 1/ 771.4%71.4%85.7%10492
エリザベG1 4- 4- 2- 0/1040.0%80.0%100.0%62109
JCG1 4- 1- 2- 2/ 944.4%55.6%77.8%6485
ヴィクトG1 4- 1- 0- 1/ 666.7%83.3%83.3%9893
中山大障JG1 3- 3- 2- 5/1323.1%46.2%61.5%3266
天皇賞秋G1 3- 2- 0- 3/ 837.5%62.5%62.5%5367
阪神3歳G1 3- 1- 0- 1/ 560.0%80.0%80.0%10092
スプリンG1 3- 0- 1- 2/ 650.0%50.0%66.7%8076
NHKマG1 3- 0- 1- 1/ 560.0%60.0%80.0%9896
阪神ジュG1 2- 2- 1- 1/ 633.3%66.7%83.3%5196
フェブラG1 2- 0- 0- 1/ 366.7%66.7%66.7%10073
JCDG1 1- 2- 1- 0/ 425.0%75.0%100.0%42112
高松宮記G1 1- 0- 1- 1/ 333.3%33.3%66.7%4380
チャンピG1 1- 0- 0- 2/ 333.3%33.3%33.3%6336
ホープフG1 1- 0- 0- 0/ 1100.0%100.0%100.0%180110
フューチG1 0- 2- 1- 1/ 40.0%50.0%75.0%082
大阪杯G1 0- 0- 1- 1/ 20.0%0.0%50.0%055

天皇賞(秋)は単勝1倍台の成績が悪く、【3-2-0-3】になっている。勝利した3例はいずれもルメール騎手。91年には単勝1.9倍の支持を集めていたメジロマックイーンは1位入線後に斜行で18着に降着になった。

日本ダービーで皐月賞1着馬が単勝1倍台の支持を集めて敗れたのは、19・サートゥルナーリアと21・エフフォーリア、22・ソールオリエンス。

平地G1で1位のオークスだが、武豊騎手は1倍台の馬に3回乗って2・7・4着と勝てていない。

有馬記念で単勝1倍台の支持を集めて敗れた馬は6頭いて、うち5頭(オグリキャップ・メジロマックイーン・テイエムオペラオー・ディープインパクト・アーモンドアイ)が顕彰馬に選ばれている。残りの1頭はブエナビスタ。

安田記念とエリザベス女王杯で単勝1倍台の馬が馬券圏内(3着)を外した例はまだない。

中山時代には1番人気が強かった朝日杯だが、阪神に移動してからは【0-2-1-1】と勝てていない。

皐月賞で単勝1倍台の支持を集めた馬はすべてG1馬になっている。

菊花賞で馬券圏外に沈んだ馬は00年のアグネスフライトの1頭だけ。

無敗の三冠に挑戦して2着に敗れた92年のミホノブルボンの単勝は1.5倍だった。

天皇賞(秋)ほどではないが、ジャパンカップも単勝1倍台の馬が勝率44%と低い。10年にはブエナビスタが2着に降着になった。

大阪杯は歴史が浅く、単勝1倍台の支持を集めた馬は21年・コントレイルと22年・エフフォーリアの2頭のみ。

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