第10回 競馬評議会「競馬は騎手で決まる」

競馬評議会を開催する。

議長議長っ! 聞きましたよ。馬券が好調らしいですね。

ツイッターでトレンド入りになっていたか。

いえ、ぜんぜん……。議長のフォロワーは5人だし。

その辺の小学生より少ないな。

それで今日は何の議題ですか。

季節は秋だな。秋と言えば何を思い浮かべる?

なんですかいきなり……秋と言えば読書の秋とか食欲の秋とかですよね。唯は焼き芋が大好きです。

ばか者っっ!!

び、びっくりした……いつもいってるでしょ。急に大声を出さないでくださいよ。

秋といえば競馬の秋だろ!!

そんなのはじめて聞きましたよ。

10月3日には秋のG1シリーズの開幕戦・スプリンターズステークスがある。
今日はG1戦線を攻略するうえで超重要な話をしてやる。

へぇ~。なんですか。

『競馬は騎手で決まる(※)』という有名な格言を知っているか?

ラーメンはスープで決まるみたいな感じですか。

まあ、似たようなものだな。
これを聞けばG1レースは90%当たる。

ほんとですかぁ。ウソくさいなぁ。

マジマジ、超マジ。

……いいから、早く教えてください。

ゴホン。これを見たまえ。

レース検索

G1レース 騎手別集計

騎手 着別度数 勝率連対率複勝率単回値複回値
ルメール22-12- 5-26/6533.8%52.3%60.0%11091
福永祐一 9- 5- 9-42/6513.8%21.5%35.4%8577
M.デム 8- 3- 6-46/6312.7%17.5%27.0%9361
川田将雅 7- 8- 9-35/5911.9%25.4%40.7%15685
北村友一 5- 4- 5-22/3613.9%25.0%38.9%130115
池添謙一 3- 3- 3-37/466.5%13.0%19.6%59125
松山弘平 3- 2- 3-30/387.9%13.2%21.1%1864
レーン 3- 2- 0- 9/1421.4%35.7%35.7%15375
武豊 2- 4- 7-47/603.3%10.0%21.7%1595
吉田隼人 2- 1- 2- 7/1216.7%25.0%41.7%56167
戸崎圭太 1- 3- 6-29/392.6%10.3%25.6%3475
横山典弘 1- 2- 4-37/442.3%6.8%15.9%2945
横山武史 1- 1- 1-13/166.3%12.5%18.8%2333
マーフィ 1- 1- 1- 6/ 911.1%22.2%33.3%5667
モレイラ 1- 1- 1- 3/ 616.7%33.3%50.0%78113
浜中俊 1- 1- 0-27/293.4%6.9%6.9%32136
松若風馬 1- 1- 0-17/195.3%10.5%10.5%17052
スミヨン 1- 1- 0- 6/ 812.5%25.0%25.0%6757
C.デム 1- 0- 0-10/119.1%9.1%9.1%2310
ビュイッ 1- 0- 0- 6/ 714.3%14.3%14.3%12444
ムーア 1- 0- 0- 6/ 714.3%14.3%14.3%2817

G1レースの騎手別成績ですよね?

そうだ。過去3年のG1レース(平地のみ・全75レース)を勝利した騎手の一覧だ。
これを見て、なにか気づかないか?

ルメール騎手が22勝もしてるんですね。

いまはルメール騎手全盛の時代だな。

日本人だと福永騎手が9勝ですね。

福永騎手も成長したもんだ。若手の頃はキングヘイローやらいろいろミスをしていたんだがな。
もっと他に気づくことがあるだろ

うーん……なんだろう。

みんな名前を聞いたことがあるジョッキーばかりだろ。
若手はもちろん中堅と呼ばれる騎手の名前もほとんどない。

あー、いわれてみれば知ってる名前ばっかりですね。

これが平場のレースなら減量騎手や若手の名前もチラホラと出てくる。
例えば最近売り出し中の鮫島克騎手、ベテランの三浦・田辺・大野・和田竜などのジョッキーの名前もない。
つまりG1レースを勝つのは、限られた上位騎手の中から出ているということだ。

すーっごくあたりまえのような。

当たり前のようでド忘れする競馬ファンは多い。
とくに競馬をはじめたばかりの初心者などは、なにも知らずにG1未勝利の騎手の馬券を買ったりする。
残念ながら、それらの馬券は走る前から90%はずれているといっても過言ではない。

90%はいいすぎじゃないんですか?

これは経験則だが、G1レースを勝ったことのない騎手が勝つのは年間に多くても1人か2人ぐらいだな。
G1は1年に24レースぐらいあるのにだ。

そんなに少ないんですか。

過去5年でG1初制覇を飾った日本人騎手は、北村友一・松山弘平・藤岡佑介・若松風馬・横山武の5人だけだ。(議長調べ)

ほんと1年に1人ぐらいですね。

近年はルメール・福永・川田・デムーロの4人が中心で、そこに池添・北村友一・松山騎手の3人がたまに割り込んでくるパターンが多い。
いまあげた上位7人の騎手で75レース中57レースを占有している。率にして76%だ。
それと忘れてはいけないのは短期免許でやってくる外国人騎手だな。

見たことない名前があると思ったら、そういうわけだったんだ。

彼らは世界のトップジョッキーだからな。
短期免許の騎手も含めると66レースで占有率は88%だ。

議長の言ってた通り、90%近いですね。

そういうわけで、G1レースの馬券を買う時は、少なくとも1着には上記の7人の騎手か短期免許の外国人騎手を買わないと馬券は90%はずれるというわけだ。

議長にしては、まともなデータですね。
でも、どうしてトップジョッキーしかG1を勝てないんですか?
他のレースだと若い騎手もがんばってるのに。

いい質問だな。
大前提としてトップジョッキーに有力馬が集まってくるのは当然の話だが、すべてがすべてそういうわけではない。レースによってはそこそこ印のつく馬に、若手やあまりG1に手の届かないジョッキーが乗ることもある。
焦って早く抜け出して目標にされるパターンもあるが、G1レースになると賞金も億単位になって、トップジョッキーが本気を出してくるというのが一番大きい理由だな。
ポジション取りも激しくなり、若手の騎手は潰されやすくなる。
先輩ジョッキーに恫喝されたり、進路をカットされて手綱を引く若手の姿を何度も見てきた。
実際、ルメール騎手と若手騎手だと3~5馬身ぐらいは腕の差があるだろうな。

どういう意味ですか?

そのままの意味だな。
同じ馬でも若手騎手が乗るのとルメール騎手が騎乗するのでは、3馬身は先にゴールできるという話だ。

3馬身って結構な差ですよ。ほんとにそんなことあるんですか?

昔の話だが、デットーリ騎手は日本人騎手と3馬身は違うと競馬関係者に言われていた。その受け売りだな。

なーんだ、パクリだったんだ。

まあ、それぐらいは違うだろう。
だからこそ有力馬が集まって、G1を何十勝としてるわけだ。
生活のかかっている競馬関係者がそれだけ信頼しているということは、実力がある証左でもある。

じゃあ、ルメール騎手が乗ってG1レースを勝ったお馬さんは、もし他の騎手が乗ってたら負けてた可能性があるってことですか?

その可能性は大いにあるだろうな。
それぐらいG1レースでは騎手の腕が重要という話だ。
競馬新聞を買ったらG1レースを勝っていない騎手の馬をとりあえず消してみろ。かなりの時間短縮になって、お金の節約にもなる。

はーい。わかりました。
唯は外国人騎手ばっかり買ってればいいと思います。

ほう、どうしてそう思う?

だって、カタカナでわかりやすいし。

素人らしい考えだが、あながち間違っていない。

さっそくスプリンターズSでためしてみよっと♪

※競馬は騎手で決まる→競馬は騎手で買え、の間違いでした。訂正します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました